活動理念

農業を通した自然の中での豊かな成長

 農業は、大地を耕し、種をまき、苗を植え、花が咲き実をつけるなどの、植物の成長にかかわりながら、作物を育て実りを得ていく営みです。土を作り、肥料を施し、雑草を取るなどの手間をかけていくことで収穫がもたらされます。
陽の光を浴び、風を受け、雨の恵みを感じながらの作業は、自然の中で自然と共に生きているという一体感を生み出し、障害がある人もない人も同じ大切な命であることに気づかせてくれます。収穫にいたるまでの一つひとつの変化は手応えとして実感でき、その作物をお客さまのもとへとお届けすることは大きな自信につながります。農業の向こう側には収穫した作物を購入し、食卓で味わってくださる人々がいるのであり、よろこんで食べていただけたということにより自己有用感を持つことができるのです。

障害のある人が畑で“働く”ということ

多くの障害のある人はその障害特性によって、生きにくさや働くことの難しさがあり、自立した生活や社会参加がしにくいという現実に直面しています。
 私たちは、そうした人たち一人ひとりの希望や意思を尊重しながら、適性や障害特性に配慮した仕事を提供することで「仕事が楽しい」「仕事ができる」という経験を重ねていくことが大切だと考えます。そこで自分に自信を持ち、さらにできることを増やしていこうとする意欲を高めていくことで生きがいを持ち、自立した生活をしていく力をつけていくことができるのです。自分の活動に目的を見出し主体的に取り組んで行くこと、そして、自らの人生を自らの手で決定し歩んでいくという自己実現のプロセスへの支援こそが私たちの使命であると考えているのです。

キャロットハウスが目指すこと

 私たちは農業と福祉が繋がることを通して、誰もが分け隔てなく生ることができ、多様な人々を包み込む共生社会を形成したいと考えます。そして、一人ひとりの利用者の意向を尊重し、個人の尊厳を保持し、地域社会において自立した生活を営むことができる社会を目指したいのです。それを実現するために、次の理念のもとに、私の畑-私の思いを叶える畑-私の成長を育む農園『キャロットハウス』を創り出しました。
1.みんな同じ大切な命
2.主体性の尊重
3.仕事を楽しみ豊かに生きる
それは、障害のある人にとって最適な農業のあり方を探る道であり、高齢者などを含むすべての多様な人々が携わっていけるユニバーサルな農業を形作って行こうとすることです。